ようこそ理容史料館へ
床屋、散髪屋、理髪店、バーバーと多くの名で呼ばれ、古くから親しまれてきた理容店は、男達が身だしなみを整える場所であり、また身分に関わりなく、ゴシップから政治、経済まで自由に語り合えるサロンとして、地域の中で重要な役目を果たしてきました。そんな中から珍しい道具、美しい容器、豊かな文化が生み出されてきました。
当店は日本唯一の理容博物館を兼ねる店として、主に18世紀から20世紀までの理容器具を収集、展示しております。
時間がゆっくり流れていた、古き良き時代のレトロな理容店を再現した店で、奥深い理容の歴史と文化を体感していただければ幸いです。
【理容史料館の主な展示品】
【日本の理容は文明開化から】
日本の西洋理髪師の祖とされる小倉虎吉、原徳之助、松本定吉、竹原五郎吉らは、横浜に入港した外国船に出入りして西洋理髪技術を習得した、と伝えられています。
『小倉虎吉率先して、明治2年の頃、今の148番館即ち俚俗支那屋敷に散髪床を開き、神奈川県庁に出願して理髪営業鑑札48枚を受け、原、松本、竹原等と腕を揃えて専ら西洋流の散髪を始めたり。これを横浜における日本人散髪業者の元祖なり。』
時事新報(明治31年8月7日付)
■サインポール(正式名称は、バーバーポール)
近代以前の西洋では、理髪師が外科医も兼ねていて、理髪外科医と呼ばれていました。彼らは傷を治療したり、歯を抜いたり、そして血を抜く瀉血(しゃけつ)も行っていました。これは病気は悪い体液によって起こるとされていたからで、患者は棒を杖のように持ち、腕を固定し、理髪外科医は上腕の血管を切り、血を抜きました。
この棒が赤く塗られていて、それに洗った包帯をぶら下げて乾かしました。風で包帯が棒に巻きつき、それがトレードマークになったと言われています。
また、血管を浮き出させるために巻いた包帯(白)と止血に巻いた包帯(赤)を交互に巻いた、という説もあります。
青が加わったのは1745年、イギリスで理髪師と外科医が別々のギルドになるとき目印のため加えられた、という説と、アメリカ建国100年の1875年頃、星条旗の色から加えられたという説があり、後者の星条旗説が有力です。
また、蛭(ひる)による瀉血も行われ、上部の丸い球は、蛭を入れた容器を表しているのでは、という研究者もいます。
(画像クリックで拡大表示) |
瀉血の様子(画像クリックで拡大) |
■理髪椅子
大正5年 東京理器大阪工場製 |
19世紀中頃のイギリスの椅子 |
理髪椅子は最初、ダイニングチェアのようなものでしたが、それに枕が付き、19世紀中頃より、寝起こし機能がつきました。その後、廻旋機能や油圧による昇降機能が加わり、電動となって現在に至っています。
日本では、西洋理髪が始まった明治初期から椅子が使用され、やがてアメリカの椅子メーカーのライセンスを取得、明治後期には本格的な理髪椅子が生産されるようになりました。当館では19世紀ヴィクトリア朝のイギリスの椅子と、アールヌーボーデザインの大正時代の椅子等を展示しております。
<画像クリックで拡大します。> |
大正10年 横浜松浦商会製 |
■髭皿(ひげざら)
西洋の理髪店で髭(ひげ)を剃るときにアゴの下に当てた皿で、17世紀から19世紀にかけて使用されました。
最も美しいと言われるのは、古伊万里の髭皿で、江戸中期、オランダの東インド会社によってヨーロッパへ輸出され、王侯貴族に珍重されました。
当館ではヨーロッパ各国の髭皿と共に、古伊万里髭皿の里帰り品を展示しております。
髭皿を使っている様子 |
各画像ともクリックで拡大表示します。 |
■シェービングマグ
髭剃り用の石鹸を泡立てる容器で19世紀中頃、アメリカの理髪店では、これに客の名前を入れてキープすることが、衛生的である、と流行し定着しました。その後、文字を読めない移民たちのためにも、マグに客の趣味、団体、職業が描かれるようになり、美しいマグが多く作られました。しかし1917年、アメリカが第一次世界大戦に参戦するとき、全兵士にジレットの安全カミソリが支給されました。以後、男たちは自宅で髭を剃るようになり、美しいマグは姿を消してしまいました。
当館では、日本の幕末、明治の輸出用シェービングマグ(ノリタケ等)も展示しています。
現在、アメリカにはシェービングマグ・コレクターの会(NSMCA)があり、約500人のメンバーがいます。当館主は、日本人唯一のNSMCA会員です。
■ノーマン・ロックウェルとサタデーイヴニングポスト誌
アメリカの国民的画家であるノーマン・ロックウェルは、サタデーイヴニングポスト誌の表紙に何度か、理容店をテーマにした絵を描きました。
アメリカが最も豊かで健全だった時代の理容店が、ユーモラスに暖かく描かれています。
当館では、彼以外の画家によって描かれたサタデーイヴニングポスト誌の表紙も展示しています。
■床屋人形
日本ではほとんど見かけませんが、アメリカでは様々なユーモラスな床屋の人形が作られました。中には、ノーマン・ロックウェルの絵を人形にしたものもあります。これらは、アメリカのメーカーの注文で愛知県の瀬戸市で作られたもので、非常に精緻に作られています。
■バーバーショップカルテット
理髪店から生まれた音楽に、アカペラで唄うバーバーショップカルテットがあります。
これは19世紀のアメリカで理髪店に集まる男たちの中から自然発生的に生まれ、黒人音楽の影響を受け完成されました。
唄うことの楽しさにあふれたこのスタイルは、世界中に拡がり、男女合わせて5万人の愛好者がいる世界最大のアマチュア・コーラス組織となっています。
日本では、2003年に協会が結成されました。
日本バーバーショップ・カルテット協会
http://members2.jcom.home.ne.jp/sbsqsj/
当館では、バーショップカルテットのテープ、CDも収集しています。
「Barber shop」という言葉には、名詞で理髪店・床屋という意味がありますが、形容詞的に使われるときには(米口語)、「男声のよく合った4重唱」という意味もあります。
■その他の理容アンティーク
その他、さまざまな理容アンティークを展示しています。
ハリウッドの俳優 ジャック・パランス(Jack Palance)について ( by Wikipedia )
・床屋を描いたポストカード
・逆回転時計 <画像をクリックすれば拡大します。> |
・アメリカ製 1920年代 ・アメリカ製 現代 |
など、多数のレトロな理容アンティークを展示しています。
店が空いているときは、店内を見学できます。
当理容資料館では、理容関連の貴重な資料を収集したり情報交換するため
コレクターの会
「BACAJA(BARBERSHOP ANTIQUE COLLECTORS ASSOCIATION JAPAN)」
を結成しました。
興味のある方のご参加をお待ちしております。
お問い合わせは、TEL/FAX : 0858 – 43 – 2126まで。
■梶川理髪館のご案内
当理髪館は、日本唯一の理容博物館を兼ねた理容店です。
理容の長い歴史が生み出した多くのアンティークに囲まれたレトロな空間で
至福の時間をお過ごし下さい。
【 メニュー 】
・レギュラーコース : 3,600 YEN (カット・シャンプー・シェーブ・セット)
・レディスカット : 2,800 YEN
・顔剃りエステ : 2,300 YEN / プチエステ : 1,000 YEN
・髪を痛めないコスメカール : 4,800 YEN~
・コスメアイパー: 4,800 YEN~
・縮毛矯正 – ショート : 5,800 YEN / ロング : 7,800 YEN
・ヘアカラー : 3,800 YEN
※お試しワンコインメニューもあります。
【 はじめてエステシェービングをされる方へ 】
– 当店は以下の手順で行います。 –
- クレンジング
皮脂の汚れを乳化して落とし、顔ダニの繁殖を防ぎます。 - スチーミング
スチームタオルで何度も蒸すことで、肌の緊張を和らげ血行を良くします。 - ラザーリング
最高級のブラシを用い、肌をマッサージしながら毛穴の汚れを落とします。 - シェービング
肌に優しいカミソリを使い、うぶ毛と古い角質を除去します。 - 美白マスク
1000回のパッティングと同じ程のうるおいを与え、美白成分を浸透させます。 - マッサージ
血行とリンパの流れを良くし、肌を活性化し、透明感のある肌を作ります。化粧品は理容師とカネボウが共同開発した、弱酸性、無香料のカネボウクリエステシリーズを使用しています。
定休日/毎週月曜日、第3週火曜日
場所/三朝温泉バス停より徒歩30秒、契約駐車場もあります。
[ 周辺地図 ]
〒682-0123
鳥取県東伯郡三朝町三朝903-3
梶川理髪館・理容史料館
TEL/FAX : 0858 – 43 – 2126
■おすすめサイトのご紹介
・フランス アラン・メートル・バルビエ(alain maitre barbier)
・ニューヨークのアンティーク床屋バーバーポール(Barber Pole Haircutting Parlors)
・鳥取県・三朝町ホームページ (鳥取県三朝温泉のアクセス案内があります)
・三朝温泉の伝説 (店主の切り絵作品が使用されています)
・全国理容連合会(全理連のホ-ムペ-ジ)
・おしゃれアドバイス 池田ゆうのスペシャル対談(vol.7 梶川満)